Novel

□Laugh Maker
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何の返答もない
どうした?
おい…まさか…?

バカザックス!!
冗談じゃない!!
今更俺一人置いて、構わず帰りやがった!!
今アンタを信じたのに!!
信じた瞬間裏切られた!!

そんなことを考えていると逆側──つまりは自分の背中の方から何かが割れる音が聞こえた。どうやら窓が割れたらしく、その場に向かった。

そこに居たのは鉄パイプを持った泣き声のザックス。わざわざ窓を割って入って来たらしい。

「よぉレノ。約束通り笑わせるから…」


そう言うとザックスは徐にポケットから鏡を取り出すと、その鏡に俺を映した。

「何…?」
「レノの泣き顔、笑えるから見てみろって…」
「バカ…」

単純発想。
普段なら笑えないこんなことでも、ザックスが言うとなんだか……

少し呆れたけど、なるほど俺の泣き顔笑える…

「ほら、レノ笑った」
「ザックスだってぐしゃぐしゃだぞ、と」

お互いの顔を見合い、お互い笑った。


ザックスは笑顔を作る天才、コイツに称号を与えれるならこれはどうだ?

"Laugh Maker"
笑いを作る者──…
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