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□薄桜鬼 約束 斉藤さん
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私が、新選組に来て一年が経った。
「雪村君。」
洗濯物を乾そうと外に向かう途中近藤さんに呼び止められた。
「すまないが、お遣いを頼まれてもらえないか?」
「はい。別に構いませんけど。」
「おぉ。そうか。ではすまないが、半紙と墨を買ってきてもらえないか?
つい最近大量に消耗してしまって・・・。
女子一人では大変だろうから、今日非番の斎藤君に頼みなさい。」
「えっ、でも・・・・」
「俺は、構わないぞ雪村。」
「ひゃっ!」
後ろには、斎藤さんが立っていた。
「おぉ。済まないな斎藤君。
折角の非番の日に。」
「そ、そうですよ!
紙と墨ぐらい私一人で事足ります。」
「いや、うちで使用する紙と墨の量は隊士一人でも苦労する。
お前一人では、きっと持つことも儘ならないと思う。」
「あぁ。生憎今、屯所にいるのは平隊士数名と私と雪村君と斎藤君ぐらいなんだ。
ここは、斎藤君の言葉に甘えなさい。」
柔らかい笑顔で私の肩を軽く叩いた。
「雪村。
洗濯物が終わったら言え。終わり次第買いに行く。」
言い返す空きも与えないまま私は、斉藤さんと近藤さんに頼まれたお使いに行くことになった。