文箱
□男達の歓談
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某月某日、野宮邸。
ある昼下がりの午後、そこには五人の男達が集まっていた。
藤田「さて、今回皆様にお集まり頂いたのは他でもありません。常日頃から姫様に想いを馳せていらっしゃる皆様に姫様に対する想い、もとい、御自分のアピール点についてお話をして頂こうという趣旨の元、お集まり頂きました。
進行は僭越ながら、私、野宮家家令の藤田が行わせて頂きます。
皆様、何卒宜しくお願い致します」
瑞人「何だい、何だい。進行は当主であるこの僕がするべきだろう。それを一体何故藤田が」
斯波「殿様が進行役ねぇ…。まぁ、藤田が無難なところだろうな」
秀雄「同感だ。瑞人君に任せては纏まるものも纏まらない」
真島「別に誰でもいいんじゃないの。たかが進行くらい。要は彼女に対して自分のアピールをすればいいわけでしょ」
藤田「聞き捨てなりませんね、真島。『たかが進行、されど進行』ですよ。これだから腹黒は」
真島「ちょっと。それこそ聞き捨てならないね。あんたこそ只の変態母乳フェチじゃん」
藤田「フェチでは有りません。姫様への愛故の行為です。お前如きにあの素晴らしさは分かりません」
真島「それをフェチって言うんじゃ無いの〜。あ〜、やだやだ(笑)」
秀雄「…おい、さっさと話を進めろ。拉致があかん」
瑞人「全くだね。どっちもどっちだよ。…で、何をアピールするの?」
藤田「…失礼致しました。アピールすべき点は、ずばり、性行為に於ける各々の自慢とするもの、で御座います」
秀雄「ぶっっ」
瑞人「あぁ、もう秀雄君。汚いなぁ。何お茶吹き出してるの」
秀雄「…あ、いや、済まない…」
斯波「軍人殿が吹き出す気持ちも分からないでも無いが…何だ、それは。そんなものを自慢してどうするんだ」
藤田「それが今回の趣旨で御座いますから。私に申されましても」
真島「ふ〜ん…、まぁ、誰がその趣旨を決めたのかはともかく、俺は別に構わなけど」
秀雄「…」
瑞人「僕も構わないよ。…って、どうしたんだい、秀雄君。何だか様子がおかしいね」
秀雄「……」
斯波「悪いが俺にはその趣旨自体理解出来んな。だか、それで百合子さんにアピール出来るので有れば構わん」
藤田「では、特に異存も無い様ですし、満場一致ということで。皆様、宜しくお願い致します」