真っ暗な闇の音(ゴーストハント)
□禁じられた遊び
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次に目を覚ましたときは明らかに日にちは違っていた。お腹がすいて風呂に入りたい。携帯を開けばディスプレイがもう倒れた日から二日経っていた。ふらふら、と立ち上がって風呂に向う。体と髪を取り敢えず洗って見える程度になるまで拭いて乾かし服を取り替え其の辺にあった弁当を適当に食してベースへと向う。
「……刹羅はん?」
ジョンが一番に反応してくれた。久しぶりに見かけるとやっぱり安心感だけが募っていく。よく見れば麻衣以外は皆ベースにいた。
「どうも、お騒がせしました」
「……ちょいとさ、気になったんだけど」
滝川さんの言葉にどう答えようか迷いつつ視線を向けようとしたところでがたんっ、という音。次いで悲鳴の音が聞こえて私は走りだした。
合流した麻衣との会話もそこそこに彼女がドアを開けるとでかい犬が机だか椅子だか……ひしゃげていて何だかわからなくなった木と鉄の塊を口に含んで唸っていた。そしてその口に含んでいたものを投げた。
――あれでは男子生徒が大怪我をしてしまう
「――っ停」
「刹羅っ!!」
渋谷さんの声でかき消されて無下なものとなってしまった。御蔭で腕を打った生徒は呻いている。――どうして。
そう考えた瞬間、犬はもう消えてしまったのであった。冷静に松山先生と話す渋谷さんへと歩み寄ってその横にある壁を思い切り殴る。
「何で、止めたんですか!」
「――必要がないと思ったからだ」
「こんな時に使えなくて何時使うんですか――ッく、」
言葉が伝えられない。ぐらり、と視界が揺れて壁をずっと触っていたことに気づく。
見たものは凄惨だった。