真っ暗な闇の音(ゴーストハント)

□閑話@
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SPR―渋谷・サイキック・リサーチ


渋谷の一等地で私は唸っていた。苦笑した麻衣がはい、とお茶を入れてくれる。紅茶…ダージリンのようでそれを飲むと落ち着いたような気がした。


「本当に一発合格しちゃったんだね…如月」


「それはいいんだけどさ…何で私が新入生代表な訳さ…文章作るのは得意だけど。だからいいんだけど。」


原稿用紙の文字を辿っているとぎい、とドアが開く音がした。一気に何時ものメンバーが来たようで忽ち騒がしくなる。



「あら…刹羅、ちゃんと受かったのね」


「当たり前じゃないですか。」


「文系理系はどっちなんですの?」

「私は文系ですね。」


綾子さんの言葉に返事して原さんの問いかけにはきっちり答える。渋谷さんはひとつ考えると言葉を発した。


「……理系はどうなんだ?」



――う”。

手を止めた私に全員が瞬きをする。麻衣はあ、と思いついたように言うと私のバックから答案を――何してんの?!


「すっごい! 刹羅、点数めちゃくちゃいいじゃん!」


並ぶ並ぶ答案に全員が視線を送る中、渋谷さんは視線を遣ってくる。怖い。というか何でこんなんなったんだろうか。


「理系のテストは何処いったんだよ?」


「刹羅は文系だからないと思うけど…あ、あったよね」


滝川さんの問いかけに答えたのは麻衣。渋谷さんが不敵に笑った。


「――その答案はないんですか? 刹羅さん」




ありますとも!
そしてその答案を見せる羽目になった私は点になった目で其れを見られた。



「――数V60点……地学33、点……?」


「固まっただけのことはありますわね」


おいおい、と呟く滝川さんの呟きに原さんはさらりと言葉を引き継ぐ。


「――麻衣は? 赤点なかった?」


仕返しに、とにっこり笑って問いかけると枚はあからさまに視線を迂回させて唸る。全員の視線が降り注ぐ中負けたのか麻衣は小さく答えた。


「――三教科赤点、です」







全員が固まった後、爆笑したのはその後すぐの話であった。





fin.

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