真っ暗な闇の音(ゴーストハント)
□血ぬられた迷宮
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次の日、騒がしくなったと思っていたら鈴木さんがいなくなったらしい。ぞくり、と寒気が増えてあ、と呟いてしまう。
「気のせい、なんかじゃなかった…」
私がぽつり、と呟くと全員がこっちに視線を渡してそれからは、と息を呑む。それから探しに行く、と言う話を聞きながら私は渋谷さんやリンさんとカメラの映像を見た。
しかし、何もなくて。集合時間になって広間へと歩くと南さんたちがいた。サイコメトリ、と聞いて私がそのコンタクトレンズに手を伸ばす。
「貸してください。私が、します」
「――やめろ! 刹羅!」
声を荒げた渋谷さんに全員が瞬きを繰り返すけれどそんなの関係ない。視線を這わせて渋谷さんを見つける。
「――大丈夫だ。」
そ、と其れに触れて目を閉じると映像がありありと浮かんだ。その映像はとても残酷なもので人に報告できるものではない。からん、とコンタクトレンズを落として身体から力が抜ける。
「――刹羅はんっ!」
身体を支えられて抵抗感を覚えたけれど今は支えられない限り立てないみたいだ。ジョンに身体を寄りかからせながら小さく囁く。
《――だめだ。彼女にもう息はない》
ぷつん、と緊張が解けて私はそのまま意識を消す。同時に誰かが私の名前を呼んだような気がした。