真っ暗な闇の音(ゴーストハント)
□閑話A
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目を覚ましたのは次の日の昼間だった。随分寝たものだ、と考えながら起き上がると渋谷さんとリンさんがいた。
「――あれ、みんなは? と言うか何であんた達だけいんの?」
「あいつらに押し付けられたんだ。」
「気にしなくても死なねえしほっときや治る。それにまだ入院時間が必要なのに今こんなつかれてても逆にあんたらが疲れるだけじゃねえの?」
断れよ普通に、とついでに付け足しておくとファイルを閉じた渋谷さんが私の顔を覗き込んだ。
「顔色がまだ悪いな」
「そりゃあな。心肺停止だったわけだし。でもまあ、入院費がそろそろ危ういから退院しないと」
「入院費はこっちから出すと言ったはずだが」
「だからと言って任せていられないだろ。それに、まだする事があるんじゃないのか。所長さん」
リンさんの視線を感じながらよいせ、と立ち上がる。少しフラつく程度ならちゃんとした飯を食ってよく寝ればなんとかなるか。
「――明日、退院する」