真っ暗な闇の音(ゴーストハント)
□悪霊がいっぱい!?
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もう、四月だ。
桜の花がひらひらと舞うそんな四月。
出会いの、季節。
アラームの音と同時にそれを止めて起き上がると既に時間は六時だった。よく寝れたようなそうでもなかったような気もしながら朝風呂に浸かって、朝食を作る。
なかなかの出来で作れたそれを食欲ない、と訴える胃の中に押し込むと弁当を作る。これまた中々いい出来で出来上がったそれを鞄に押し込んで髪を乾かすと自分は家から出て行った。
「出会いの季節、というものは私には縁のない言の葉である。」
桜並木を通りながらぼんやりと碧い空を仰いで今年も去年と同じようなことを呟く。
けれど、この呟きを引っ繰り返すような出来事が起こるとは、今の私には知る由もなかった。