真っ暗な闇の音(ゴーストハント)
□禁じられた遊び
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「もー! 何で女の子なのにわざわざ怪我しに行くのよ!」
「誰が女の子だ。麻衣を頼む、と視線で送ったのはあんただろ?」
怪我の手当を受けながら言い合いをしていると口調が変わった自分に驚いたのだろうナル以外はこっちを見たままだった。
「――刹羅はん。顔色が悪いどす」
「気にするな。ちょっと力を使っただけだし」
「気にするわよ! あんたは暫く寝てなさい!」
「馬鹿か。こんなに鬼火がうようよしているこの状況下ですやすや寝れるやつがいたら見てみてえよ」
ぐ、と伸びをしながら言葉を紡ぐと渋谷さんがため息をついて私を見据える。何だかこういう時は甘いんだけどさ。
「ジョン、刹羅を寝しつけて来てくれ。」
「所長命令ときたか……。」
なんでこうも心配性が多いのだろうか。と思って頭を抱えると「行きますよって」という言葉と同時に肩と腕を引かれて宿直室へと連れて行かれた。
私を布団に寝かせるとジョンはそのまま正座してじい、と視線を遣ってくるものだから苦笑した。寝れないと言い難い相手ではある。
「寝るけどジョンは直ぐに戻りなよ」
「大丈夫ですか?」
「ああ、直ぐに起きてくると思うし。」
「やっぱここにおります」
……。
もういいや。取り敢えず寝よう。疲労感に私は抵抗せずに眠りへと入っていった。