真っ暗な闇の音(ゴーストハント)

□血ぬられた迷宮
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夢。
これは、悪い夢だ。
寝ていたところに男二人が入ってきて両腕を拘束される。何で鍵が閉まっているはずなのに入ってくるの? ――誰も、見当たらない。


暗い道で何も分からない中、引きずられるようにして部屋に連れて行かれた。そこには暖炉があって椅子と――机の上にはグラスがあった。誰かいたのだろうか。


その隣のドアを開けられると嫌な予感がした。砂利道に足を踏み出してまた引きずられる。力に勝てない。何で。どうして。


――これは過去視だろうか。


一人がドアを開けると物凄い血の臭いがして吐きそうになる。げほ、と咽るのも構わずに男達は更に私を引きずって歩いていく。



先にあるドアを見つけて私は目を見開く。嫌な予感が濃くなる。ダメだ。あのドアを開けたら自分が死んでしまうきがする。ダメだ。


意思とは関係なしにドアは開けられて暗いところに手術台が視界に入る。同時に、黒光りしている水も。――これは、血?


肩を引かれて目を見開く。しかしその瞬間羽織が落とされて何故か着物姿になっていた。意味も分からずまた引っ張られていく。何が起きているのか分からない。声も出なかった。


手術代に寝かされると縄で縛られた。血の感触が、着物越しに伝わってきて寒気がする。死ぬ? ――此処で、私は死ぬのだろうか。


頭を掴まれて首をそらされると同時にナイフが、皮膚に食い込んだ気がする。
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