真っ暗な闇の音(ゴーストハント)

□Snow White
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「わー、お帰りーナル! ジーン! リンさん!」


感動しているのか出迎える麻衣と真砂子。
何だかナルとジーンの身長が少し伸びた気がするのは気のせいなのか。


「もう冬ですね。」


越後屋スマイルを浮かべる安原さんは楽しそうにソファから立ち上がっている。
私は特に動く理由もないのでジョンと隣同士になって座ったままにしておく。


「寒くなるし肌が乾燥して大変よぉー」


「そりゃあ気を付けねえといけねえわな」


三人が帰ってきただけで賑やかになる其処に私はジョンに寄りかかった。


「刹羅さん?」


「ん、あったかいから…」


その腕を抱えてすり、と擦り寄るとジョンは困ったように笑いながら私の頭を撫でた。


「おーお熱いカップルですねえー」


揶揄し始めた安原さんに全員の視線が注いでいることに気づいてあ、と固まった。
ジョンは最初のように真っ赤、というわけではなくなったけど若干頬が赤い。
私は例外なく赤い。



「ちが、そういうんじゃねえよ!」


「刹羅さんっ、落ち着いてください!」


思わず声を上げながらていや、とクッションを投げようとすると腰に腕を回されてきつく抱きしめられる。





う、わ。



ぼふんっ。



「わ、顔真っ赤!」

「しかも倒れた!」

「どんだけ純粋なんだよ!」


「刹羅さん、しっかりしてください!」


やばいやばい、心臓が破裂する。ハゲる。
あわあわと悶えていると苦笑したジーンが近づいてきた。


「大丈夫?」


「もうダメだ! 心臓破裂して壊れるッ」


「馬鹿か。」


そりゃあな!
心配そうに顔を覗きかけてきた全員の中のジョンの顔を見ると死にそうになる。


「そそそそ、それより! それより! とっとと会場行こうぜ…。」


「おおお、そうだった忘れるところだったなあ」


「としですねえ、滝川さん」


「少年、それを言わないでくれ」


面々の様子を見て笑みを浮かべながら私はジョンのとなりを歩く。
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