i LoVe you...

□にんげんのせかい
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「瀬南くんって、どこから来たの?」

「彼女いるの?」

「綺麗だよねぇ〜」


早速転校生は女子共に囲まれていた。
まぁ、予想出来たっつーか、してたっつーか。
しかも男子軍もその容姿ながらに納得してしまう始末。
今モテるのって、女っぽい奴なワケ…?
そしてタチが悪いのは隣の席の潤貴。

「やべぇ…ドキドキしてきた…」

「夏風邪じゃね?」

「いや、転校生を見てると動悸が…」

「おい、俺のこの夏彼女ゲット作戦に加わんない気かよ」

「何だよそれ。もう男でも良い。今日からアイツを脳内でヤってやる」

「うっそ」

あまりの友達の豹変ぶりに驚いた。
俺ほどではないがお前だって彼女欲しいってほざいてたくせに…

確かに綺麗だ。
そこらの女よりかは可愛い。
というか、笑顔が良い。
心から笑ってるというか…楽しそうだ。


「ねー、亮輔、こっち来てよ」

「あん?」

「美男子と美男子だもんね」

「お、俺イケメンになってんだな」

「当たり前じゃないの、ねぇ!」

「紹介するね、武藤亮輔。イケメンなんだけどこの前3年も付き合ってた子にフラれちゃったの」

「余計なこと言うなお前ら!」

キャーと言って散っていった女子。
こっち来てと言った割りにあっさりと俺とコイツの2人にしやがって。
こう見えても俺、結構人見知りするんでなかなか声をかけることが出来ない。
寧ろ、かけづらい。

「…えと…き、綺麗な髪っすねー」

…何を言ってんだ俺は…
けれど彼は

「そ、かな?…でも、ありがと」

テレくさそうに笑った。
えーと…褒めて良かったんか?これ…。

「な、どうしたらそんな色になんの?」

「これは地毛で…褒めてくれる人なんて初めてだったから…ありがと」

「いや、別に…あ、俺、武藤亮輔。よろしく」

「よろしくね、武藤くん」

「亮輔で良いよ。何かそれ、変」

「んじゃ、亮輔。よろしくね」

「おぅ」

…っていうか
何だこのテレくさい会話…。
俺が潤貴と初めて話した時はもっと砕けてた気がする。

「…あれ、どっかで会ったこと…ある?」

「へ?」

「…あ、いや、何でもないんだ」

「他人の空似ってヤツじゃね?ほら、授業始まんぜ」

「あ、うん」


何だコイツ…。
行動とか仕草とか…可愛すぎる…。
潤貴の気持ちも多少は分かる、かも。
しかし、恋愛感情には繋がらない。
もしかしたらそういうの嫌いって奴かもしんないし。

まぁ、仲良くしておこう。
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