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□王子様はきっと
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今日は絶対に会いたくない、そう思って細心の注意をはらって1日を過ごしてきたのにどうして最後の最後に出くわしてしまうんだろう。
先輩『明日香じゃん、一緒に帰ろうよ。』
なにくわぬ顔をして私に一緒に帰ろうと誘ってくる、コイツの頭の中を見てみたい、と心の底から思った。
明日香『今日はよるところがあるので…』
先輩『なら俺もついていくよ。』
明日香『いえ!!先輩には遠回りになりますから…』
先輩『彼女と帰るなら別に遠回りだろうといいじゃんか?』
なるべくやんわり断るつもりだったのに、先輩もしつこいのでついつい私の口調も荒くなっていく。
明日香『だから、先輩本当に大丈夫ですから…』
先輩『お前、俺の事嫌いになったの?もしかして浮気相手に会いに行くとか?』
明日香『はぁ?先輩、自分の事棚に上げてよく言えますね?私、昨日見てたんですから。』
先輩『は?お前こそ何言ってんの?』
明日香『先輩昨日、他の子とキスしてたじゃないですか!!私に告白してきたの一昨日ですよ!?まだ返事もしてないのに彼氏ぶるのやめてもらえますかね?』
私の言葉に先輩の顔は一瞬青ざめるも、すぐに豹変して赤くなり、私を無理矢理壁際に追いやり壁に押し付けるようにして話し出す。
先輩『なに生意気言ってんの?お前もこんなとこでキスされたいわけ?』
そう言って近づいてきた先輩の顔にもうダメだと目を瞑ったのに、先輩からのキスは来なくて、変わりに聞き覚えのある声がした。
JJ『うわっ、きったねぇ!!俺の手が汚れるんだけどっ』
先輩『うわっ、お前誰だよ!!』
声のする方を見上げるとそこに居たのは隣の席のジェジュン君だった。
JJ『お前こそ誰だよ。それに嫌がってんのに無理矢理しようとするとかマジ最低だな。』
ジェジュン君は正論を言ってるだけなのに先輩は逆上してジェジュン君に殴りかかろうとしてる。
先輩『てんめぇ…いい加減にしろよ!!』
けれども運動神経がいいジェジュン君はそれをいとも簡単に右手で受け止め、左手で私を抱き寄せながら先輩に向かっていい放った。
JJ『いい加減にするのはお前の方だから。俺の彼女に手出そうなんて100万年早いんだよっ』
するといきなり視界が真っ暗になり、明るくなったと思ったらジェジュン君の綺麗な顔がすごく近くにあって、キスされたのがわかった。
突然のことすぎて頭が回らないでいると、ジェジュンが"行くぞ!!"と言って走り出した。
私は繋がれた手に触れた唇の感触に、ドキドキしながら君の背中を広い見つめていた。
***王子様はきっと***
流れ星のような早さで現れて、流れ星のような早さで私の心を奪い連れ去って行く。
(…順番違うけども、明日香のこと好きなんだ。)
(わっ、私も…/////)
(これからは変な男がよらないように俺が守るから。)
(うんっ)
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