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□だって、私たち
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自分から呼び出したくせに、ベンチに腰をかけ気持ち良さそうに寝ているこの男。名前はチャン・ヒョンスン。




季節は暦上では春だがまだ風が冷たい。この男が起きるのを待っていたらきっと私は春風によって風化して消えてしまうだろう…




明日香『ヒョンスン起きて〜』




"起きろ〜"、"wake up!!"と様々な呼び掛けをしてみるものの起きる気配がないので無理矢理揺らして起こした。




HS『…んぁ??』


明日香『んぁ??じゃないんだけど…自分から呼び出しておいて寝てないでよね…』




すると彼は寝ぼけ眼なままなんとか頷いてる様子。そして何かを思い出したように急にブツブツと呟きだす。




明日香『何言ってるの??』


HS『今から言うことは冗談なんかじゃないからね?』




いや…質問と答えが全く噛み合ってないですよ、ヒョンスンさん。




君にツッコみたいことはたくさんあったけどもそれ以上に君の瞳は何かを訴えようとしていたので話を聞くことにした。




明日香『なに??』


HS『あのさ、明日香…』


明日香『うん。』


HS『僕との子供を産む前提で結婚してください。』


明日香『…う、ん!?!?はぃ??』




私の耳がおかしかったのでしょうか??とんでもないことを聞いた気がするのですが…




HS『明日香、聞いてる?』


明日香『あっ、うんうん。』


HS『んじゃ返事をいってくれ…『無理です。』と。』




君は驚いた顔をしてる。けど皆さんが私と同じ立場ならこの答えの他にどんな答えがあるというのだ??















***だって、私たち***



出会って1ヶ月ですよ。まだ付き合ってすらいません。






(恋に落ちるのには時間は関係ないんだよ。)
(私には関係ある。)
(そうと決まれば僕のお家に行こう。挨拶しないとね。)
(…決まってないから。)
(ついでに子供作ろうか?)
(…殴られたくなかったらちょっと黙ろうか。)






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