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□嫉妬しないわけがない
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明日が休みだということで、私は数時間前からオール覚悟で彼が出ていたドラマを見返している。因みに、今見てるのは「成〇館ス△ャ□ダル」。




やっぱり何度見ても面白いと思うし、演技している彼は、ステージ上で華麗に歌い踊っている時とはまた違っていてかっこいい。




1人でドラマの世界に入っていると、不意に後ろから抱きつかれた。この香りは温もりは彼しかいない。




明日香『ユチョン、おかえり。』


YC『ただいま。また見てるの?』


明日香『うん、面白くて。』


YC『ふ〜ん…』




興味なさげにそう言い、キッチンに飲み物ををとりに探しに行った彼の頬は心なしか緩んでいたような気がした。




その間にもドラマはもちろん進んでいていよいよ私の好きなシーンに差し掛かる。




彼と相手役の女の子がキスするシーン。ファンの皆は嫌がって見ないと頑なに言っていたけども…私は寧ろこんな綺麗なキスシーンを見ないなんて損してると思う。




明日香『……はぁ、やっぱりいいシーン。』




2人の演技に魅了されていると隣に明らかに不機嫌な様子の彼がドカッと座ってくる。




YC『…明日香は嫌じゃないの?』


明日香『素敵だからいいんじゃない?』


YC『…不安になったりしないの?』


明日香『演技ごときに不安になんてなれないでしょ。』




この態度からしたら彼は私にドラマを見て嫉妬してほしいみたいだ。




画面から目を反らさずに話をしていたら、急に言葉を発さなくなったので視線を彼に向けてみると…




YC『……俺は明日香の口から俺以外の男の名前が出ただけで不安になるのに。』




ちょっと拗ねたようにそっぽを向いた彼が言った。
















***嫉妬しないわけがない***



けど、不安な気持ちよりも君を好きな気持ちがかっているから。そして何よりも君を信じているから。






(でもちょっと位してほしいよ…)
(してないわけではないよ?)
(ふ〜ん…)
(でも毎回毎回そんな気持ちになってたらきっと…)
(きっと?)
(…嫉妬で死んじゃう。)






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