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□誰が彼を止めてください
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少し肌寒さを感じ寝返りをうつと、さっきまで隣にあった温もりがなくなっていた。




もう出ちゃったのかな?と思いつつ顔を洗いに洗面所へ向かうと何やら鏡とにらめっこをしている君を発見。




ジェジュンでもあるまいし、まさか自分の唇を見てちゅーしたいな♪なんて思ってないだろうなぁ…と見ていたら視線を感じた君がこちらを見て微笑む。




YN『おはよう。』


明日香『おはよ。』




こんな些細な言葉でも一人暮らしだからとても嬉しく感じる。朝を迎えても1人じゃないんだな、君も居るって。




それはさておき…




明日香『ユノ…さっきから何してるの?』




おはようと告げてからまた鏡に視線を戻してしまった君に聞く。




YN『いやぁ…ちょっと悩んでてね?』




なんて顎を擦りながら答える。また今朝生えてきた髭がチクチクしている。




明日香『何悩んでたの?』


YN『顔。』




こんなにも小さくて整ってるのに何を悩むんだ、コラ。




明日香『悩むとこなんてないじゃん。』


YN『顔っていうか寧ろ顎?髭だよ、髭!!』




そう言って鏡に近づいては遠ざかり、遠ざかっては近づいてひたすら髭を見ている。




明日香『髭の濃さを?(今更!?)』


YN『違うよ。』


明日香『髭の固さ?(痛そうだもんね!?)』


YN『ううん。』


明日香『んじゃなんなの?』


YN『伸ばしてみようかなぁって。』




…………。




天使のお迎えが来たのかしら?




私には君の頭に天使の輪が見えます…(天使はジュンスなのに)


















***誰が彼を止めてください***



私は無言で棚から髭剃りを取り出して君の左手に握らせた。






(剃るまで外に出さないから。)
(たまにはイメチェンも必要だと思ったのに…)
(ファンの子悲しむよ?)
(寧ろ新しい僕が見れて喜んでくれるんじゃない?)
(……………。)






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