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□不意打ちに、遠回しに
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こんなにも細いのにどこに吸収されていくのかわからない、君の口から飲み込まれていく食べ物たち。




ぱくぱくと上品に無言で食べ続ける君を、私はただ眺めている。




CM『…食べたいなら食べればいいじゃん。』




ちょっと怪訝そうな顔でそう言う間にも君の手は止まらない。




明日香『いやぁ…美味しそうに食べてくれるなぁって思っただけだよ。』




本当にそう。お皿がみるみるうちに綺麗になっていく様を見ていると作ってよかったなぁって思う。




CM『…本当に美味しいですから…』




照れたり、真剣にな時にだけでる敬語でそう言ってくれているんだからきっと本心なんだろうなぁ。




普段はそんなこと言ってくれない君が言うから尚更嬉しい。




"ごちそうさまでした"という君が食べ終わった声を聞いて、いつもなら私は後片付けに取りかかる。




けど…今日は君がそのまま片付けをすると言って聞かない。




明日香『チャンミン疲れてるでしょ?私がやるからっ』


CM『明日香だって作って疲れてるはず。』


明日香『あれくらい疲れないからっ』


CM『作るのが明日香の仕事なら洗うのは僕の仕事。』




そんな…月に数回しかご飯を作れてあげてないのに役割分担なんかしなくてもいいのに…




CM『…だから、明日香はずっとご飯を作ってください。





…………………僕だけに。』

















***不意打ちに、遠回しに***



告げられた君からのプロポーズ。見上げた君の笑顔は今までで一番優しかった。






(…返事は?)
(いいえ。)
(……!?)
(チャンミンだけじゃなくて、チャンミンと私の子どもの分も作らなくちゃね?)
(…じゃぁ、早速子どもを、)
(つくりません。)






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