リクエスト集

□悲しみの海に沈んだ私
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原因はわからないが、俺はいじめられる
対象になっていた。
そのせいで俺は部屋に引きこもっている。
泣きすぎて目を開けるのも億劫だ。

親も、誰も心配しない。
俺はこれからどうすれば…。

ふと、部屋のドアの前に人の気配がした。


「高杉…大丈夫か?」


ドア越しに誰かが俺に声をかけてきた。
顔を見せたくないから無視をした。
それでも話しかけてきて、何時間かすると
諦めたのか、


「………また明日来る…」


呟くように言うと行ってしまった。
行ってしまってから、あれはいったい
誰だったんだと気になった。
聞き慣れた、あたたかくて優しい声だった。


次の日も同じ時刻にあいつはやってきた。
そしてまた何時間か経つと帰ってしまった。
それが毎日続いた。

気になってしかたねぇけど、思い切って
話しかける勇気も顔を見せる勇気もない。
いつから俺はこんなに弱くなったんだ。



この部屋にいると昼も夜も関係なかった。
なのにあいつが気になって眠れない夜が続く。
いじめられ、外の世界がこわくなって
長い間部屋に閉じこもってる俺とは反対に
あいつは何もなく平和で自由だ。

涙でぐちゃぐちゃの汚い俺と違って
あいつはきれいなんだろうな。



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