リクエスト集
□ある夏の日のこと
1ページ/3ページ
夏休み。
最近ずっと銀八に会えていない。
二学期の準備だとか休み明けテストだとか、
教師はいろいろと忙しいようだ。
おかげで銀色やそれに近い色などのものに
異常に反応してしまう。
気分転換にと思い小さな公園に行き、
ブランコに腰をおろす。
昼飯時だからか、公園には誰もいない。
「……会いてぇ」
ポツリと本音を呟く。
ジリジリ照りつく夏特有の暑さに頭が
ボーっとしてきて帰ろうと立った途端
不意に白い猫が小走りで目の前を横切った。
「銀八……」
そんなわけないのに、つい追いかけてしまった。
暑さにやられてしまってたのか、
それがいけなかった。
地面とタイヤが勢いよく擦れる音。
バキンと鈍い音。
ビリビリと痺れるような痛さ。
俺は意識を手放した。