感情幸福論

□第4話
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高杉は一週間家にこもっていた。
雨のせいでじめじめした外が閉め切った
カーテンの隙間から見える。
ドサッとソファーに寝転がり、目を閉じた。
が、インターホンが部屋に響きわたり、
パチリと目を開けた。

よし、無視しよう。

再び目を閉じるとまたインターホンが鳴った。
連続で何回も何回も。


「ちっ、るせぇな…」


高杉はあまりのしつこさにイライラして、
キレ気味にドアを開けた。


「お、やっと出てきた」

「ぎ…ぎん、ぱ…」


ドアを開ければ銀八がいて高杉は驚いた。

モワモワと外の湿気が家の中に入ってくる。
身体もジメジメする。

高杉はそれが気持ち悪くて顔をしかめながら
銀八を家に入れた。


「どーしたんだ?」

「それはこっちのセリフだ。なんで一週間も学校やすんでんだよ」

高杉はそれを聞いてパァッとゆう
効果音がつきそうな顔をした。


「俺のこと好きになってくれた!?」

「なんでそーなる」

「じゃあ、俺のこと気になってきた?」


銀八は一瞬ドキッとしたがアホかっと言って
デコピンした。

高杉はすねた顔をしてソファーに
突っ伏した。
そんな高杉を見て銀八はため息を吐き、
高杉の頭を撫でた。


「心配しただけだ、バカ」

「…心配?」


顔を銀八のほうに向けると意外に顔が近くて
頬を赤らめた。




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