感情幸福論

□第5話
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高杉は一週間ぶりに
学校へと向かっていた。

現在8:30。遅刻だ。

早く会いたいため、走るのは嫌だから
早歩きをする。が、ある者の登場で
行く手を遮られてしまった。


「おはよー高杉っ」


人懐っこい笑顔をして一見可愛らしく
見える男、神威だった。

どんな危機でも笑顔を絶やさない
ある意味恐ろしい奴だ。


「何の用だ。俺ァ早く学校に行きてぇんだ」


そう言うと神威は珍しいものを
見るような目で高杉を見た。


「高杉変わったねぇ。学校に行きたいだなんて。何?そっちの学校そんなに楽しいの?」

「…別に」


神威は何か考える素振りを見せると
ひらめいたとでも言うようにピンと
人差し指を立てた。


「俺も銀魂高校に転校する!」

「「はァ!?」」


誰かと声がハモり、不思議に思って
後ろを振り向いた。


「ぎっ、銀八?学校じゃ…」

「アハ、アハハハ、寝坊しちまってよぉ。つか、え?こっちに転校してくる?」


神威はパァッと目を輝かせると
銀八に抱き付いた。
高杉は声にならない悲鳴を上げ、
銀八はなにが起きたのか分からない状態。


「銀魂高校の先生だよネ!強そう!カッコいい!」

「神威ィィィィ!!」


高杉は全力で神威を銀八から引っ剥がそうと
試みるが、神威の力のほうが強すぎて
微動だにしない。
ぐぇぇっとゆう銀八の呻き声がする。
それに気付いた神威はパッと銀八から離れた。
いきなりだったので高杉は転ける始末。


「あー軽く死ぬかと思った。あ、そういえば遅刻してたったんだ。高杉、行くぞ」


今のはなかったかのように冷静に
気怠そうに言う銀八。
こくりと頷き神威をほったらかして
行こうとすると腕を掴まれた。




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