感情幸福論

□第6話
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学校に着き、教室に行く。
神威のせいで大遅刻だ。


「あれ?なんで神威がここにいるんでィ?」


実は総悟も中学時代からの同級生。
三人で馬鹿やったもんだ。


「今日は学校見学にきたんだ。来週から転校してこようかな」

「まじでかィ」

「本当に転校してくる気かよ」


なんだか嬉しそうな総悟。
大きなため息を吐く高杉は静かに
教室を後にした。
向かう先はもちろん銀八のとこ。
ゆっくりドアを開けると銀八は
どこから持ってきたのか大きなパフェを
おいしそうに頬張っていた。


「おぉ、高杉。あの兄チャンはどーしたんだ?」

「教室においてきた。まじで転校してくるっぽい」


さりげなく銀八の隣に座りスプーンを奪い
チロっと舐めた。


「甘…でも間接チューできた」

「チューっつーか舐めたろ」


スプーンを取り返しまたパフェを頬張る銀八。

ほのぼのとした空間、一人の男に
こわされてしまった。


「高杉みーっけ♪もう、おいてかないでよねー」

「来るなよ、バカムイ」

「お前、バカムイっつーのか。よろしくな、バカムイ」


手を差し出す銀八の頬を爽やかに
殴り飛ばす神威。


「神威です。よろしく。先生の名前は?」

「さ、坂田銀八…です。イテテ」

「ああー銀八…銀八先生だ。改めてよろしくねー先生♪」


なんだか変な日本語を使う神威。
そういえば中国からの留学生だったなぁ
なんてのんきに考える。


「よろしくされたくねーししたくもねーよ…」


ボソリと呟く銀八の頬をまた爽やかに
殴り飛ばした。
何度も銀八を殴り飛ばす神威に
苛立ってきた高杉は小さく舌打ちをした。


「で、ここに何しに来たんだよ」

「あぁ、校内を案内してほしくてさ♪」


転校してきたらやっかいなことに
なりそうだ。と、高杉と銀八は思った。
高杉はしょうがないとでも言うように
ため息を吐き、しぶしぶと神威を
案内することにした。


「あ、せっかくだから総悟も一緒に」

「あいつは今授業中だろ」


いーのいーのとか言いながら2Zの教室へと
向かった。


「…ん、なんか嫌な予感がしまさァ…」


2Zでは数学の授業中だった。
数学担当の先生もとい、辰馬の声を
子守歌に、うとうとしていた総悟は
何かを察し、むくりと机から身体を起こした。
瞬間、けたたましくドアが開いた。


「そっうごー♪」

「なんじゃあ?おまんら」

「なんで神威がここにいるネ!?」


ガヤガヤと騒がしくなる教室。


「総悟を拉致りにきましたー」


神威は総悟を見つけると襟首をひっつかみ
教室を出て行った。


「アハハハハ…まだ授業中ぜよ…」



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