感情幸福論
□第11話
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部屋にインターホンが鳴り響く。
ソファーにうずくまって泣いていた高杉は
出る気がなかったが、何度も何度も
しつこく鳴り響くインターホンに
痺れをきらして玄関へと向かう。
ドアを開けようと手を伸ばすと、
それより先にドアが勢いよく開かれた。
そこに立っている人物を見て、
カギを閉めとけばよかったと後悔した。
「ぎんぱち…」
ずいっと中に入ってくる銀八。
息が切れている。
「高杉!お前に言いたいことがあって来たんだっ!!」
「な、に…?」
銀八は深呼吸をして息を整え、
真剣な眼差しで高杉を見据えた。
空気が張り詰めたような感覚に息が詰まる。
「高杉…」
ゴクリと生唾を飲み込む。
「結婚しよう!!」
「ぁ…えっ、けけっ…結婚!?」
「あっ、間違えた。付き合おう!!」
「な、え?」
訳が分からなくて混乱する高杉。
それを知ってか、銀八は高杉を
落ち着かせるようにギュッと優しく
抱き締めた。