感情幸福論

□第3話
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高杉は人生初めてのこの感情に
ワクワクしていた。
これからどうアタックしていこうか、
銀八は好きになってくれるだろうか。
それと同時に不安もあった。
変に避けられたら悲しい。
嫌われるのも嫌だ。


「晋助、不安になる気持ちはわかりやすぜィ?」


不意に総悟が話しかけてきた。


「人の心ん中読むなよ…」

「顔がそう言ってやした」


小さくため息を吐くと総悟は高杉を
数秒見つめ、ニヤリと笑った。
高杉はそんなことに気付かない。


「晋助、アタックにはボディタッチが効果的だぜィ」

「ボディタッチ?スキンシップみたいな感じか?」

「ハグとかは不覚にもキュンってくるんじゃねぇかィ?」


そうゆうものなのか?と高杉は思った。


「ん、がんばってみる」

「先生はだいたい国語準備室か屋上にいるから休み時間にでも行ってみなせィ」

「あぁ、じゃあさっそく行ってくる」


高杉は授業中だというのに教室を
出て行った。

向かうは国語準備室。

ドアの前でひと息吐き、ノックもせず
ドアをスライドさせた。

キラリと銀髪が光り、高杉は目を細めた。


「ん、あれ高杉、授業でてたんじゃねーの?」


銀八は先ほどのことは何もなかったかの
ように話しかけてきた。

高杉はソファーに座る銀八のとなりに
ちょこんと座った。
それからそっと抱きついた。


「銀八…好き。早く俺のこと好きになってよ」

「いや、あのね、俺は男、お前も男。しかも先生と生徒。わかる?そうゆう世界があったとしても俺はそこの住民じゃないの」

「わかんない。バカ。モジャモジャくるくる天パァ」

「ひどくない!?ちょっ、銀さん目から汗出てきちゃったよ」


そう言ってソファーにもたれかかる銀八に
顔を近づけた。

頬にわざとチュッとリップ音をたてて
キスをした。

銀八は驚いた顔をしたがすぐいつもの
気怠いような顔に戻った。


「もしかしてお前、…寂しがり屋か?つーか甘えん坊?」

「はァ?」


何言ってんだこいつとゆう目で
銀八を見る。


「だってお前一人で暮らしてるだろ?学校も休みがちだし。構ってもらいたいんだろ?」


高杉はうーんと唸った。

他の人といても何とも思わない。
銀八だといろんな感情が溢れ出る。


「違うな。寂しくもねぇし甘えん坊でもねぇ。銀八がただ好きなだけだ」

銀八は苦笑いをするしかなかった。





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