感情幸福論

□第4話
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「一週間何してたの」

「総…じゃなくて、…雨が…嫌いだから。ジメジメしてるし」

「雨?雨なら俺も嫌いだぞ。髪がもう爆発状態だ」


高杉は小さく笑うとむくりと身体を起こした。


「銀八、一週間俺のこと考えてた?」


そう言われ、目を泳がす銀八。


「…明日からまたちゃんと学校来い」

「無視すんな」

「学校来ないと、一生かけても好きになんねーぞ」

「ちゃんと行く」


うまく丸め込んだ銀八はじゃあなと言って
出て行った。


数秒ボーっとしてあることを思い出し、
高杉はどこかに電話をかけだした。
数回コールが鳴り、相手が出る。


「よぉ。さっき銀八家に来たぞ。せいこう…したのかな」

『まだまだでィ。でも確実に晋助に惹かれてると思いやすぜィ』

「まじでか。俺もっと頑張る。用はそれだけだ。また明日な」


プツリと通話を切ると総悟はニヤリと
黒い笑みをこぼした。


「じっくり確実に落としていかなきゃいけないねィ」

「そーちゃん、随分楽しそうね」


姉が側にいるのに気付かなかった総悟は
なんとも間抜けな顔をして笑っていたとか
いないとか。



ついでに、高杉が一週間休んでいたのは
雨のせいも一理あるが総悟に

「いきなり姿を見せなくなったら気になって気になってしょうがなくなると思いまさァ」

と言っていたので試しに
休んでみたのであった。




続く


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