感情幸福論

□第7話
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「なぁー総悟ー」


三時限目、日本史の授業だが自習なので
好き勝手に行動する2Z。

高杉は前の席に座る総悟の両肩を掴み、
ガクガクと激しく揺さぶった。


「ちょっ、落ち着きなせィ!首折れる!いやっ、もげる!」


そう言われ仕方なく総悟を離した。


「なんでィ、さっきから落ち着きねェ」

「だってだってだって…」

「ちょっとは落ち着けィ」


はぁぁーっとため息を吐きながら
机に突っ伏す高杉。
それからもごもごと何かを言ってるが
全くわからない。


「ちゃんとこっち向いて話しなせィ。何言ってるからわかんねぇやィ」


少し間をあけてからゆっくりと
身体を起こした。
なんだか浮かない顔をしている高杉。
総悟はなんとなく高杉が言いたいことを
察した。


「晋助、神威の言ったことが気になってんですよねィ?」


ピクリと反応する。

それを見て曖昧に笑って言う。


「心配しなくても大丈夫でィ」

「…なんか、総悟が言うとホントに大丈夫に思えてくる」


安堵の表情を浮かべながら高杉は
ニッと笑った。
でもやっぱり心配なようで、そのあと
小さくため息を吐いた。


「銀八、早く俺のこと好きになってくんねぇかな」

「意外に手強い奴でィ。もう良い頃だと思うんだがねィ」


うーんと二人で腕を組みながら悩む。
悩んだってしょうがないのだが。


「恋って難しいんだな。今まで恋に悩んでる奴見てくだらねーとか思ってたけど…」


今の俺なら同情しちまう。と呟いて高杉は
机に伏せてしまった。




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