感情幸福論

□第9話
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――――――――――…


「やべ、教卓の上に今週のジャンプ置いてきちまった」


教室戻るのめんどくせー、と
ため息混じりに呟く。

安物のサンダルのペタペタとゆう音が
静かな廊下に響く。
なんだか怖くなって…いや、
ジャンプを早く読みたくて早歩きになる。

早歩きは教室に着く頃にはもう走っていた。

ガラガラッと勢いよくドアを開ける。


「ふうーあったあった」


教卓の上にポツリと置かれた
ジャンプのもとに歩を進める。


「ズズズ…」


ピタッと足をとめる。
気のせいだろうか。
何か音が…


「ズズー…」


空耳ではないようだ。
見たくないのに見てしまうのは
なぜだろうか。
ゆっくり音のするほうを見る。
西日に照らされた教室の窓際
一番後ろの席に黒い物体を発見した。

目を凝らしてジッとそれを見つめる。


「あ、れ?高杉…?」


音の正体は高杉の寝息だったようだ。
もう全員帰宅したとゆうのに。
誰にも起こされなかったのか
起こされたのに起きなかったのか。





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