短編集
□喜んだ顔が見てみたい
2ページ/5ページ
「おい、何作ってるんだァ?」
「あっ、晋助様!バレンタインのチョコを作ってるんスよ♪晋助様も一緒に作りますか?」
「ばっ…だっ誰が銀時のために!!」
「誰も白夜叉のためになんていってないッスよ?」
茹蛸のように真っ赤になる高杉。
その間にもチョコは見る見る溶けてゆき、
そこらへんに甘ったるいチョコの
においが充満する。
―――銀時の喜んだ顔が見てみたい。
「俺も…作りたい」
「いいっスよ♪ちょっと待っててくださいッス!」
素直に待つことにした高杉はまた子の
作ってるところをまじまじと見ていた。
あまりの手際の良さに感心してしまう。
「こーゆーの馴れてんのか?」
「いちおう女ッスからね♪お菓子作りの一つや二つ出来なきゃ恥ッスよ」
「そうなのか…」
女はつくづく大変だな。