短編集
□ハッピーVALENTINE
2ページ/4ページ
高杉は万事屋の玄関の前で暫し
固まっていた。
緊張し過ぎて血の気が引き、さっきまで
真っ赤になってたのに今は青白かった。
何故か箱を凝視する。
「フッ…フフフ。おおおお俺がききっ、緊張なんてするわけねーよぉぉ?」
なんだかもう訳が分からない。
キャラが崩壊しかけたときだった。
「あれ、晋ちゃん?」
名前を呼ばれ現実にもどる。
声がしたほうを見れば目当ての人物が
コンビニの袋をぶら下げ突っ立っていた。
突然の本人登場に声にもならない
悲鳴をあげる高杉。
「晋ちゃん礼儀正しいからなぁー。いつもインターホン鳴らして待っててくれるもんな。そこはさすがお坊ちゃまとゆうか…」
一人でぺらぺら喋る銀時。
高杉は聞いてるどころじゃなかった。
「(どっどどどどーしよぉぉぉぉ!!咄嗟に懐に隠しちまった)」
「晋ちゃん?どしたの?」
「はっ、な…にが?」
「いや、なんか様子がおかしいっつーか」
さすが元白夜叉。勘がいいな。
なんて軽く現実逃避をする。
どうしようか。
頭にはその言葉しか浮かばない。