小説

□馬鹿
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偶然音楽室の前を通った時、中から物音がした。

(・・・誰か居るのか?)

少しだけ空いていたドアの隙間から、見覚えのある桃色が見えた。

「霧野、先輩?」

驚いたのか、女子のように華奢な肩がピクンと跳ねる。

「・・・つるぎ?」

こちらを向いた先輩は翠色の眼から綺麗な雫を流していた。

「!!?・・ど・・どうしたんですか・・?」

いつもは外見に似合わず、かなり男前な性格で、想像なんてした事のなかった泣き顔に、動揺しながら先輩に近付いた。
ピアノの椅子に座ったまま先輩は泣き続けていた。
きっと泣いて居る理由はキャプテンが関係してるんだろう。
幼馴染とか言ってたっけ。
いつもは冷静な先輩にこんな顔させられるなんて、ズルいな。
とか、
どうでもいいけど。
泣いている先輩は、本人に言ったら怒られるが、可愛かった。
可愛かったけど、先輩はキャプテンの事を考えているって思うと、ムカムカした。
どうにかして、泣き止ませたかった。
暫く考えて、先輩の頭に手を乗っけた。
すると先輩は案の定、驚いたように大きな目をさらに見開いた。
そして、また新たな涙をこぼした。

「つ・・・っるぎ、おれっ!!」

ますます大きくなる嗚咽を堪えようと必死な先輩を抱きしめた。
少しでも乱暴にしたら壊れてしまいそうな身体を、出来るだけ優しく。

「別に何も言わなくていいですから。落ち着くまで泣いてください。」

先輩はキャプテンの一番そばにいて、一番仲が良い。
でも、きっと、辛い時も沢山あるのかもしれない。
誰にも打ち明けずに、前から、もしかすると俺が先輩に出逢う前から、1人でこうやって泣いていたのかもしれない。

(そんなに辛いなら、キャプテンから離れれば良いのに。)

声にならない呟きは俺にしか聞こえない。

(それでも一緒に居たいの?)



本当に馬鹿だ。

先輩も、

キャプテンも、


俺も。




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初めて小説書きました( ´ ▽ ` )ノ

難しいですね、小説。

先輩はモテるんだろうなー

って思って書いたら蘭ちゃん泣きっぱなし・・・

ココまで読んでくださった方、
ありがとうございましたorz

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