小説

□幼馴染の恋事情
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最近、神童は強くなった。
強くなって、泣かなくなった。
少し前までは、責任感強過ぎてよく泣いてた癖に、今では俺の前ですら弱みを見せない。
幼馴染が自立して行くとか、良いコトのはずなのに、もやもやした何かが気持ち悪い。

そもそも、俺は神童にとって必要だったのかな、なんて柄にもない事考えるようになったのは、
天馬が来てからだった。

俺がずっと神童の横に居たはずなのに、神童を変えたのは、天馬だっった。
あんなに出会ってすぐの奴に変えられたのに、俺にはできなかった。

それから少しずつ、神童の顔に笑顔が戻り始めて、2人でいる事も自然と減って、
天馬たちといる時の方が生き生きとしているのなんて見たら、

俺、重荷?

幼馴染なんてどの位の所にいればいいのかわからない。
それなのにずっと「幼馴染」に甘んじてた俺にイラつく。

こんなに傷付くならこんなに神童に捧げなけりゃ良かったのに。

ただの「幼馴染」と思ってれば良かった。

長い間甘えられる側だった俺は、どうやって人に甘えればいいのか、頼ればいいのか、
そんなの覚えてなくて、

愛しい愛しい幼馴染といる間に溜まってしまった言葉の渦は心の中
に溜め込まれて、

もう、遅すぎる
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