小説

□色気
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白髪(ハクハツ)の少年の隣りで
弾む桃色の髪





河原で水の掛け合いをしている二人を遠目に眺めながらふと数か月前の事を思い出す







―あの頃が一番良かったな





縋る様な眼で

―連れていって欲しい






あの眼は俺だけが頼りだと


そう言っていて


放っておくワケには行かなかった







「へっくん!!…冷たいよぉ」

「ビュティから仕掛けたんじゃないか」







黄色い声を上げながら戯れ合う二人を愛しいと想う裏腹に
どこか隅の方で妬ましくも想う








「ビュティーっ…ヘッポコ丸っ…飯の準備だ」





木陰で昼寝をしていた首領パッチと天の助を叩き起こし
野宿の準備を始める







「ボーボボぉ…ビショビショになっちゃった…」






照れ笑いしながらボーボボに寄り添うビュティ





濡れた服が肌に張り付いて細い身体のラインが浮き出ている







「服…乾かさないと」







張り付いた服を脱ぎながらビュティは下着姿になる







「ほら」







ボーボボはアフロを開いて中にビュティの服を放り込む








「えぇっ…!?その中乾燥機になってんのっ!?」







ギーギーガーガーと怪しい音を立てながら
ボーボボのアフロが小刻みに揺れる





ビュティは心配そうにアフロを見つめていたが

ひとつクシャミをして身震いすると

ボーボボに抱き付いた









「ボーボボ…あったかいね」






冷たいビュティの肌が密着して

しばらくするとそれは心地良い温もりに代わった






ビュティの柔らかい髪の毛を指に絡ませながら撫でると
気持ち良さそうに頬を擦り寄せる





―綺麗だ






チン―







出し抜けに間抜けな音が響くと
ビュティの体温が離れていった








「終わったの?」








再び開いたアフロから湯気がたっている






「ありがとうボーボボ」







ビュティは服を着るとボーボボの元を離れて食事の準備をしに
一行の元へ戻った






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