小説

□つぼみ
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暖かな陽射し



雲一つ無い空





今日は快晴だ








ボーボボ一行は春を絵に描いたような花畑にいた






首領パッチは例の如く
舞い上がり

ボーボボとカップルの追いかけっこを演じてみたりしている



ボーボボの手にはマシンガンが握られている事を知っているのかいないのかは定かではないが










そんな中で
破天荒は一人の姿が見えない事に気付いた







―嬢ちゃん?








むさ苦しい面子の中で一番花が似合う少女は
きっと花畑の中では妖精のように愛くるしいのだろう





しかし今はその姿が見えず



ヘッポコ丸と木陰で昼寝をしているのかと思えば

彼は田楽マンを膝に乗せて寝ていた







一体どこにいるのだろうか








しかしよく目を凝らして花畑を見渡すと
答えはスグに見つかった







彼女は花畑の中に座り込み



一人でいそいそと何かに没頭しているようだ








その為桃色の髪が花畑に溶け込んでしまって保護色になっていたのだろう







「嬢ちゃん」



「あっ破天荒さん」







満面の笑みで振り返る少女はやはり綺麗だった



しかし想像していた「愛くるしい」とはちょっと違い



どちらかというと「愛しい」











「何してんだ?」



「フフ…破天荒さんにプレゼントっ」







そう言うと彼女はとても嬉しそうに
花の王冠を掲げた






「コレ…作ってたのか?」



「うんっ…カワイイでしょ?」







破天荒は王冠を手に取り

それをビュティの頭に乗せる







「ホントだ…カワイイな」



「…っ違うよ!!破天荒さんの頭に乗せなきゃ」



「いいんだよ…コレで」






破天荒はビュティの頭から自分の頭に王冠を移す







「な?似合わねぇだろ?」



「そんな事…」






ない



と言おうとしたが
確かに彼と花は何だかミスマッチで







「だからホラ…」







そう言ってもう一度ビュティの頭に王冠を戻し

目線の高さをビュティに合わせる







「こっちの方が最高のプレゼントだ」







そう言ってビュティの頬に口付ける







「お嫁さんにしたいくらい綺麗だぜ…ビュティ」







名前で呼ばれる違和感にビュティは頬を染めて俯く







「破天荒さんの…お嫁さんにならなってもいいよ…」







少し照れながら言うビュティに
破天荒は優しく微笑み
彼女の顎に手を添える







「サンキュ」






幼いけれど
一人の男を欲情させるには充分の


花びらの様な唇に自らの唇を重ねた









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