小説

□課題
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寝ても覚めても





って言葉はこういう状況だろうか?







朝、目が覚めると一番に君の事考えるし



眠りに就く前も必ず君を思ってる








今日こそ



明日こそ







君と話したい

触れたい

感じたい







想像の中の自分は驚く程流暢に君と話をしていて



次から次に言葉が生まれてくるんだ







でも










「どうしたの?へっくん」







その大きな瞳で見られると



その愛らしいソプラノトーンで声を掛けられると



そんなに心配そうな表情をむけられると





体温が上昇する

息が荒くなる

心臓が爆発しそうな程高鳴る







「べ…別に…」








ほら






まともな返事すら返す事ができない…








「何かへっくん…さっきからボーっとしてない?」



「…そうかな?」








こんな素っ気無い返事しかできない俺にでも

君は表情豊かにして応じてくれるから





俺はそれに甘えてしまう








こんな男の相手をするのは面倒なのではないか



いつか愛想をつかれるんじゃないだろうか?







心の中ではそんな事をビクビク考えていて





そのくせ彼女はそんなコじゃないと高も括っていて








「無理しないでね」







目を逸らした俺に彼女は優しい言葉をかけた










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