バカップル30題

□03.春休み
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「おじゃましまーす!」
「あらいらっしゃい守くん、一郎太なら自分の部屋よ。」
「ありがとうございます!」
そんなやりとりが二階まで聞こえてくる。

「風丸入るぞーっ!」
俺の部屋に元気よく入ってきたのは円堂。
今何よりも大切で大好きな人。
「ノックくらいしてくれよな…」
「あはは…ごめんごめん。」
円堂はそう言うと、俺の横に腰掛けた。
因みにこのやり取りはテンプレである。
「なあ、風丸。」
「ん?」
「三年生、クラスまた一緒だといいな。」
「…ああ。」
そう、俺達は4月から三年生になる。
小学校三年生の時に同じクラスになって以来、円堂とはずっと腐れ縁だ。
「なあ、円堂。」
さっきの言葉とそっくりな感じで話し掛ける。
「なんだよー?」
「高校、どうするんだ?」
中3というと、どんな奴でも思い浮かべる問題。
円堂は、どう思ってるんだろうか。
「んー、取り敢えず、風丸と同じ所!」
「へっ?」
「あと、サッカーができる方がいいかな。でも、一番は風丸。」
「円堂………ばか。」
「んへっ?」
「俺だって、円堂と同じじゃなきゃやだよ。」
俺は、耳まで熱くなるのを感じた。
「風丸…。大好きっ!」
「ちょ、円堂!」
円堂は、抑えらんなくなったらしく、俺に思いっきり抱きついてきた。
「…俺も、大好き。」


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な ん じゃ こ りゃ

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