バカップル30題

□15.親友
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今、俺の隣で慣れないゲームに悪戦苦闘している可愛い少年。
彼は親友だった。
ほんの3日前までは。
「霧野…ずっと好きだったんだ」
彼なりに頑張って放った思いを伝える言葉。
伝えるのには10秒もかからない言葉。
この言葉で、俺と彼は親友以上の恋人になった。

「霧野ー、キノ○オだとどうしてもトゲコ○ラが避けらんないんだけど…」
「あー、キノコあれば避けれるぞ。」
「つまり無理と?」
「…まあ、よく一位になれるようになったと思うよ。」
とまあ、付き合い自体は親友と大差ないのだけれど。
でも、俺らの関わりは深くなったと思えた。
なぜなら、もうお互いの*好き*を隠さなくていいのだから。

俺自身、神童の事が昔から大好きだった。
けれど、一応男同士。
気味悪がられれば、親友でさえもいられない。
だから必死で押しこらえていた。
でも、どうやら隠す必要は無かったようで、今まで伝えなかったのが多少悔やまれた。

「…二位が近づいてきてるなら、少しバックして巻き込んでやれば」
「おぉ!スゴいな!抜かされない!」
でも、近くにいられるんならそれでいいや。
「…神童可愛い。」
「お前のが可愛いだろ…ばか霧野…」
頬が軽く赤らんでいる。…照れてる??
あーもう可愛すぎる!!

俺がそんな妄想をしていると、神童はいつの間にかゲームを再開していた。
「よし、もう一回!」
「って神童、コース外れてる!!」
「あっ…戻り方わかんなくなっちゃった…」
「もう全く…」
俺は神童の後ろに回り込むと、抱きつく形で彼のスライドパッドに手を添える。
「…―っ!」
神童は耳を真っ赤にしていた。
まあ、俺もだろうが。


ずっとこいつと一緒にいられるんなら、親友でも恋人でもいいやと思えた。

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突発的電波\(^q^)/

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