Dream薄桜鬼

□Prologue
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――時は幕末、



ある日、二人の少年少女が屯所を訪れた。


かなり貧相な恰好で・・・


「「僕(私)を入隊させてください」」


見かねた門番が2人に近寄った。


「君たちにはまだ幼いよ、家の人は?」


涙を抑えながら幼い子供が言った。


「僕達は何も覚えていない。」


「何も知らないの・・・」









―時は過ぎ


浪士隊に「新撰組」と名付けられていた。


幼かった少年少女は他に行くあてもなく、


男は隊士、女は家事係になることを約束し


屯所ですくすくと育てられていった。








―そして今日も稽古中である。



「はぁぁっっっ!」


ガチン、と木刀がぶつかる。


「まだまだだな、藍斗!」


「何ぃ!?」


ゴツッ・・・


鈍い音を立てて、俺の頭上に落ちた。


「平助〜っ、そこはさっきも当てられてコブが出来てんだぞ!?」


「あははは、わりィ!」


「ここは額だぞ!頭が割れるだろ!!」


「しょうがねぇだろ、お前がデカ過ぎるんだろ」


「ひでぇ」







俺は藍斗、


今はこの屯所の中で一番仲のいい平助と稽古中だ。


生まれと苗字は忘れてしまった、というより覚えていない。


覚えているのは・・・
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