Dream心霊探偵八雲
□心
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授業が終わって、晴香は急いで奏の元へと走った。
「ごめーんっ、待たせちゃったね」
「晴香、遅いよ〜」
この日は奏と新作のアクション映画を見に行く予定だった。
待ち合わせ時間よりも20分ばかり待たせてしまった。
「飲み物奢るから許して?」
「じゃぁポップコーンのSも付けて(笑)」
のせられたと思ったけれどとりあえずそこはスル―した。
「わかった。ただし私も食べる!」
上映されるまであと10分。
間に合わなさそうだけど急いで映画館へ向かった。
真っ暗だった場所から外に出ると少々眩暈がした。
しかし辺りは薄暗く、目にとってはちょうど良かった。
「あ〜面白かったね」
「誰かさんのせいで遅れそうになったけど、間に合ってよかった」
「ん…、ポップコーンはMにしたでしょう?」
「あはははは」
かなりハラハラするアクション映画で、多少流血があって驚いたけれどなかなか楽しいものだった。
2人で帰路についていて、とある喫茶店の前を通った時、見なれたスーツ姿にメガネの男性がコーヒーを飲みながらぼんやりしていた。
「あ…!」
「どうしたの?」
しばらく見ていたら、相手もこちらに気付いたようで席から立ち上がった。
…そして机で膝を打っていた。