Dream薄桜鬼
□Prologue
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―味噌汁のいい香りがあたりを漂う。
「・・・うん、ちょうどいい!」
味見で使った小皿を流しに置いた。
「琥珀さん、いつも上手いですねっ」
「いやいや、千鶴ちゃんだってみんなの事考えて作ってるじゃない」
「みなさん好き嫌いがありますしね」
男ばかりの屯所に2輪の花が咲いたように
隊士たちは和ますことができた。
屯所で暮らす唯一の女の子二人組。
他に女の子がいない事で千鶴ちゃんとはすぐ仲良くなれた。
私は琥珀、
私も藍斗と同様で
生まれも苗字も覚えていない。
でも、2つ覚えていることがあった。
そんな私(俺)たちが覚えていることとは、
自分たちはいつも一緒で
互いに人目につかないように暮らしていたという事だけだ。
自分たちにどのような秘密があるのか分らない。
今は普通に、みんなのもとで暮らしていくだけ。