novel

□秘密の願い事。
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「ギラヒムは何て書くの?」

自分でも何を書くか決めていないギラヒムは少し考える。

「そうだね…"この先ずっとリンク君と愛し合えますように"とか」
「却下」
「…心が痛むんだけど…」

結構本気だったのに、と悲しくなる。

「…そんなこと…七夕にはもったいないよ。もっと別の事書いたら?」
「よし、決まりだね。"リンク君とずっと愛し合えますように"」
「…ちょ、ちょっと…!」

話をガン無視して短冊に書いているギラヒムをリンクは焦って止めようとする。

「リンク君は遠慮しすぎだよ。願い事にもったいないとか…そんな事はないと思うな…」
「でも…」
「でもじゃない」

何かを言うと、まるで自分を否定するように反論してくる。
ギラヒムは途中で言葉を遮り、リンクの頬を両手で包む。

「願い事は…人それぞれによって価値が変わる。リンク君にとっては"そんなこと"かもしれないがワタシにとっては"とても大切なこと"なんだよ」
「………」
「だからワタシはこれがいいんだ」

リンクの頬から手を離す。

「さ、吊そうか。リンク君」
「…ギラヒム…」
「ん?」

「ご…ごめん…」

いきなり謝るリンクにびっくりする。

「別に怒ってる訳じゃ…」
「そうじゃ…なくて…、その…ギラヒムの願い事を…そんなことって…言っちゃって…。だけど…」

気のせいかリンクの頬は少し赤く見えた。

「だけど…本当は…嬉しかった…んだ…」
「リンク君…」

リンクはギラヒムに赤くなりながら微笑んだ。

「…そ、そろそろ短冊を吊そっか…!」

気恥ずかしい空気を何とかしようとリンクは置いていた笹を取り出す。

自分の短冊も取り出してギラヒムの方に向いた途端に唇を奪われた。

始めは触れるだけのキスだったが、それはだんだん激しいものに変わっていった。

逃れようとしても、後頭部と腰に手が回っているので逃れられない。

「んっ……んぅ…」

暫くその状態が続いたがリンクが苦しいとばかりにギラヒムの肩を叩くので、ギラヒムは名残惜しく解放した。

「い…いきなり…何を…!///」
「リンク君が可愛い事言うからさ」

ギラヒムはリンクの持っていた笹を手に取る。

「こんな大きな笹…どこに飾るんだい?」
「………」

リンクは真っ赤な頬を膨らませて睨んできていた。
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