novel
□大きな世界。
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「うぅ〜ん…疲れた…」
夜のフィローネの森の中でリンクは伸びをする。
『マスターの体力の低下を確認。速やかに回復を行ってください』
「そだね…今日いっぱい戦ったから…。…ファイは疲れてない?」
『ファイは精霊なので、疲れというものはありません』
「そっか…それなら大丈夫だね」
子供のように微笑みながらファイに言うと、リンクは回復薬を取り出す。
「今日はもぅスカイロフトには帰れないし…薬飲んで早く寝よう…」
そぅ言うとリンクは、持っていたビンの中に入っている回復薬を飲む。
全て飲みきったところで、近くにある木に寄りかかりそしてファイに告げる。
「おやすみ…ファイ」
『おやすみなさい。マスター』
ファイはリンクが寝たのを確認して剣の中に戻っていった。
──朝────
リンクは太陽の光で目が覚める。
回復薬のおかげか、昨日の疲れがなくなっている。
しばらくの間、目を閉じて周りの音を聞く。
スカイロフトとはまた違った音が聞こえてくる。
…と、不意に誰かに体を揺さぶられ目を開けるリンク。
そこにいたのは…
「………え……マチャー……?」
大地の草食亜人キュイ族のマチャーだった。
しかし、いつも見ているマチャーとは違う。
「ど…どうしたの…!?急に大きくなって…!」
リンクの膝くらいしかないマチャーが、今はリンクの何十倍も大きくなっていたのだ。
「それはこっちのセリフだキュ!兄ちゃん、何でそんなに縮んでるキュ!?」
「………何…言って…………」
リンクは訳の分からないまま周りを見回す。
すると見慣れているはずの景色…木やキノコや小鳥や草………全部がいつもより大きくなっている。
……いや…リンクが縮んでいるのだ。
「え……な…何これ………!!?何が起こったの…!」
自分の身に何が起こったのか分からないリンクは焦る。