novel
□秘密の願い事。
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「あ、ギラヒム…!」
時刻は昼過ぎ…。
リンクはフィローネの森でギラヒムを見つけると走って近づく。
「やぁ、リンク君。君から来てくれるなんて珍しいね」
普段と同じく紳士的に振る舞う。
「えへへ…今日は特別だから」
「特別…?」
子供っぽく笑うリンクにキュンッと胸が高鳴るギラヒム。
そんなことはお構いなしに、リンクは後ろから何かを出した。
「じゃーん!これだよ!」
「…笹…?あぁ…七夕か」
リンクが出したのは笹。
しかもリンクの背丈の2倍くらいはありそうだ。
その笹にはいくつかの短冊が吊されていた。
「うん!今日は七夕だからギラヒムにも願い事を短冊に書いてもらおうかと思ってさ」
「願い事…ねぇ…。リンク君は書いたのかい?」
笹に吊されている短冊を見ながらギラヒムは言った。
「書いたけど…まだ吊してないんだ」
「…どうして?」
「だって…ギラヒムと一緒に吊したかったから…」
「〜〜っっ!」
上目遣いで言われるものだからギラヒムは衝動的にリンクを抱きしめようとする。
しかしリンクはギラヒムの腕をするりと避け、何事もなかったかのように短冊をわたす。
「はい、ギラヒム」
「あ…ありがとう…」
避けられた腕をさり気なく戻し、短冊を受け取った。