空を翔るツバサ
□4.第二大陸からの訪問者
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「俺は、時狗(じく)=ルシアン。第二大陸から来た、司令官だよ」
×Flight4 第二大陸からの訪問者×
眩しい金髪の、時狗という少年は僕を見て笑いながら言った。
ただ、目は笑っていない。
何か怖い……。
「あんたが、一般人から司令官になったって噂の拓海=エイリアスか……意外と普通だな」
「君は、何でここにいるんだ?」
「決まっているだろう。【翼】を手に入れに来たんだ」
だから何で……?
「世界の最新技術が全て詰まった空兵という存在。第三大陸だけのモノにしておくのは惜しい」
「目的は技術なの……?」
少し安心してしまう自分がいた。
何で?
何で、安心してるんだろう?
「……まぁ、斎=フィレンチェにも興味はあるけど。結構可愛いし」
「かわっ……!?」
瞬間、僕の頭の中にモヤモヤとしたものが現れた。
思考が全部支配されて、何も考えられない。
「……そんなわけで、拓海、司令部に連れてってよ」
目の前の存在を忘れ去っていた僕は、肩をたたかれ、はっと我に返った。