デュラ夢長編
□3.怪物は仮面を被る
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3.変人登場
成美が、臨也に絡まれる少し前、京平もまた異常な光景を目にしていた。
5分1B教室前
俺は成美が別れた後、
自分のクラスへ足を向けた。
だが、しかしなぜだか俺のクラスの前に人だかりができていた。
「おい、どうしたんだよ。」
「あ…いや、中に平和島つーやべぇ奴がいてよ……。」
「……。」
平和島静雄。
こいつは噂だけを聞くと自販機を投げたり、標識を引っこ抜いたりするとんでもない奴だ。一応成美にも釘はさしといたが、
まさか同じクラスとはな。
俺は40人はいるであろう人だかりをかき分け、教室の中に入って行った。が、
中に居たのは拍子抜けするくらい大人しい顔立ちをした、男だった。
「よぉ、なんか騒がれてんな。お前。」
「……ああ。」
あの噂は本当か？
こんな奴が自販機を投げるのか？
そう頭の中で考えていると、
「おーおー平和島くんよぉ。最強だかなんだか知らねぇが調子に乗るとどうなるか先輩がよぉーく教えてやるよぉ。」
と下品な声が平和島に投げかけられる。
おそらくこの声の持ち主は知らないのであろう。
目の前にいる細身の男が
どれだけの力を持っているかを。
そして、
空気を読まないこの下劣な声が平和島静雄という怪物を噴火させることになるなんて思いもよらずに。