Ooぉ題oO
□猫と首輪
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チリン
チリン…
その音は、ワンピースの裾と比例して揺れる様に。
人が付けるにしてはおおよそ不自然なそれが、彼女には自然と馴染んで見えるから不思議だ。
ガターンと大きなドアが開く音の後、せんぱぁいとマヌケな大声。
ドタドタと…人の家だというのに遠慮なく入って来た変態に一喝しようと、振り返った俺の意気込みは変態の突飛な姿に呆気なく削がれた。
跳ねた寝癖も、最近俺が洗濯してやっているワンピースも。
トレードマークの鍵盤が描かれたトートバックだっていつも通り。
ただ、いつもと違うといえば
…首輪。
白く意外と華奢な首に周っている、それ。
もう一度言うが…チョーカーではなく、首輪。
…何故人間が首輪…?
赤の厚手の生地に金の金具。首の鎖骨上では金の鈴がチリチリと揺れている。
…それはどう見たって猫か犬の首輪。
「先輩!ピッキング出来ますカ?!」
「……はぁ?!」
何を言い出すかと思ったら、チリンと鈴を鳴らして隣りに座ったのだめはヘアピンを2本手渡してきた。
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