Undaily!

□第7話
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「そう。この機械にはそれぞれ番号があって、相手の番号を入力したらそれで電波が繋がるから、会話が出来るんだよ」


「……何処にいてもか」


「電波が繋がる所なら、だけどね。日本以外の国でも大丈夫」





政宗は相変わらず珍しい物を見る目で熱心に画面を覗き込んでいる。





「じゃあちょっと、離れた所にいる友達に電話してみるよ」






実際会話してる所を見てもらったほうが早いと思い、仲の良い友人の番号に電話をする。



「あ、私が会話を始めたら、終わるまで皆は喋らないように。こっちの声や音は全部相手に聞こえるから」




まだコール音がしているなか、全員に念を押す。横で6人もの男の人の声がしたら絶対に怪しまれる。








『もしもし?』


しばらくコールした後、友人が電話に出た。



「あ、もしもーし。ごめん、いきなり電話してー」


『んー別に大丈夫ー何かあった?』




ケータイを耳元から離し、友人の声が6人に聞こえるようにする。声が聞こえ、本当に相手と会話していると分かると、6人はそれぞれ少し目を見開いた。
が、言い付け通り声は出さない。さすがだ。




『おーい、もしもーし』


「あぁ、ごめんごめん。何の用だったか思い出してて」



しばらくケータイを離していたため、友人が不思議がっている。
思い出すどころか特に用無しで電話したので何も話す事が無いのだが。

とりあえず、またご飯でも食べに行こう、という話だけして電話を切った。










「まぁ、こんな感じ?」



6人は、画面が通話中のものから待ち受けに変わったのを見て、やっと喋りだした。




「………この時代の道具は本当に凄いですね」


「我々では考えつかないことが目の前で起こっているのだからな」



幸村・兼続が感心しながら言う。そんなに重く考えなくてもいいんだけど………。









「あと、他にもこの機械にはいろいろな機能……カラクリがあって、例えば…………そうだ、政宗、ちょっとこっち向いて」


「む?何じゃ」


「動かないでよー…うりゃッ!」


「Σッ!!」




まだまだケータイへの興味が薄れない政宗の顔を上げさせて、その瞬間をカメラ機能で激写した。
カシャッ、というシャッター音とフラッシュで政宗はかなり驚いた顔をしていた。
またもや、不覚にも可愛いと思ってしまう。本人に言ったら確実に怒られるだろうな。







「わー、政宗いい表情!ほら、こうやって目の前の人や風景を静止画として残す事も出来るんだよ」




画面を見せると、そこには少し驚いた様子の政宗の写真。それを見て本人が一番驚いていた。








「ほう、面白いな!」


6人はそれぞれ写真に興味を持ってくれた。兼続が真っ先に声を上げたので、またデジカメを渡してみよう。





ケータイの説明をしている間に、湯船のお湯張りが終わった。

さて次は、お風呂の説明だ。













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