Undaily!

□第10話
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「なんていうか………三成や他の皆が聞いたら変に思うかもしれないんだけど、皆がここに来てまだ数時間しか経ってないのに、私、すでに“楽しい”って思っちゃってて」




頬をポリポリと掻きながら、続ける。







「皆は知らない世界に来て不安なのに、私だけそんなふうに思うなんてダメなんだろうけど………ご飯、おいしいって言ってもらえたり、皆がすごい真剣に一番風呂取り合ったり、三成がちゃんとそうやって見ててくれたり…………私にとっては楽しくて嬉しいんだよ」





一人暮らしだったから余計なのかもしれないけれど。

少し気恥ずかしくて三成と視線を合わせる事はできないが、三成は何も言わず、ちゃんと私の話を聞いてくれる。





「だから、皆にも楽しんでほしい。我慢とかはしてほしくないんだよね………………ってわけで、何でも言ってよ!私はこんな性格だからちょっとやそっとじゃへこまないし!ね!ごめんね、何か長々と………あ、これ皆にも言わないとねー」


「…………………葵、」


「って!!ごめん三成!体冷えちゃうよね!!風邪!風邪引かないように!えーと、体洗って、髪流して…………とにかくゆっくりお湯に浸かってよ!絶対!あ、体拭く布これね!この大きいやつ!!じゃ!」


「ッ、おい!」








三成が何か言おうとしていた気がしたが、それどころではなくなってしまった。体が冷えたら大変だ。

とりあえず言いたい事は全て言って、浴室の扉を閉めた。



さて、三成に言った事を他5人にはどのタイミングで言うべきかと考えながら脱衣所を出ると、リビングで座ってニュースを見ていたはずの5人が、なぜか立ち歩いてうろうろしているではないか。






「あれ?どしたの皆して」


「別に……何でもない」



5人は脱衣所を出てすぐのキッチンの辺りをうろうろしている。
何だか少し挙動不審だ。

清正に尋ねたらぶっきらぼうな返事が帰ってきて、清正はその後リビングに戻っていった。









「それより、三成はどうだった?」



兼続・幸村・政宗もリビングに戻って行く中、その様子を不思議に思いながら見つめていた私に、元親がふと声をかけた。






「あぁ、何かね、シャワーのお湯が熱くてびっくりしたんだってさ。それで脚ぶつけちゃって。でも特にケガとかもないし、大丈夫。皆も気をつけてよ、火傷したら大変だからね」





元親と、リビングにいる4人に向かって言う。


「三成はもう使い方とかやり方とか完璧だから、次からは何かあったら三成を………………って、元親?」




三成を呼んでね、と言おうとした時、また元親が私の頭を撫でてきた。いきなり。

…………あれ?何か私、しょっちゅう元親に頭撫でられてないか?いや、別にいいんだけど……嫌なわけではないし、でも何なんだろう。撫でやすい身長差なのか?そんな身長差あるのか?











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