無双過去夢
□我慢なんて
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「おねね様ぁ〜!無理ですよぉ〜〜……」
「無理じゃないっ!いざとなったら押し倒して強引にでもしちゃえばいいのよ!!」
不安そうな顔をしている葵をよそにねねは速い足取りで幸村の部屋へ到着した。
「幸村ーーー!!葵がね、話があるって!」
「お、おねね殿!?」
何も言わずいきなりねねが部屋に入ると、書物に向かっていた幸村は驚いて立ち上がった。
「はい!葵、ガンバるのよ!!」
「ひゃっっ!!」
ねねは葵の背中を押して部屋へ強引に入れると、襖を閉じて去っていってしまった。
(ほんとに手のかかる子達だねぇ……。)
そう苦笑しながらねねは歩いて行った。
一方、取り残された葵はどうしたものかとオロオロしていた。
「葵?話とは………って、顔が赤いぞ!?熱でも………!」
真っ赤な顔をした葵を見て、幸村もオロオロし始めた。
「違います………っく」
「…酒を、飲んだのか?」
幸村がゆっくりそう尋ねると葵は小さく頷く。
「そうか…葵が酒を飲むとは、珍しいな。」
「幸村様…………」
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