無双過去夢
□君がいる、だから僕がいる
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――――運命など信じていなかったのに、なぜ、こんなにもお前を愛してしまうんだろう―――――――。
『君がいる、だから僕がいる』
「三成ーーー!今日からあんたの使用人になる、葵だよ!優しくしなさいよ!!」
その女との出会いは、突然だった。
おねね様が連れてきたという女は長い黒髪が白い肌に映える、華奢な女だった。
「じゃあね、仲良くやるんだよ!!」
「ッおねね様!俺はまだいいとは言って……!」
おねね様はそう言うと葵というその女の肩を小さく叩き、足早に来た廊下を走っていった。
(まったく……)
「…あ、あの」
おねね様の後ろ姿を見ながら小さくため息をついた時、背後にいた葵とかいう名の娘が言葉を発した。
「……何だ」
「あの、精一杯頑張りますので、よ、よろしくお願いします!」
そう言って葵は深く頭を下げた。
「………まぁいい。ちょうど使用人が欲しいと思っていたところだったからな」
俺がそう言うと、葵は少しほっとしたような表情で頭を上げた。
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