無双過去夢
□聖なる日は、君と。
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それは、バレンタインデーのこと。
「「「先生ーーーーーーーー!!!!!」」」
三成が教室の扉を開けた瞬間、教室中からうるさいほどの黄色い声が廊下まで響き渡った。
「先生、これ、バレンタインのチョコですっ!!!」「待ってよあたしが先に渡すんだって!!!!」「どいてよ!渡せないじゃん!!」
教卓の前に立った三成にクラス中の女子が一気に詰め寄り、バレンタインのチョコを渡そうとする。既にどちらが先に渡すかという小さな戦いすら起こっていた。
「うるさいっっっ!!!!!!!!今からHRだ!!!騒いでないでさっさと席につけ!!!こんな物、邪魔なだけだ!!」
女子に詰め寄られ、イラついた三成はそう一喝し、女生徒が渡してきたチョコを突き返している。
「ちぇ〜〜〜じゃ、放課後に渡しに行きますからね〜〜〜!!」
そんなに事を口にしながら、女子達は席に戻ってゆく。
そんな中で一人だけ自分の席から少しも動かず、どこか寂しそうにしている女子がいた。
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